さて、“今時の若者”って一括りの正体は⁉︎大まかに時代背景を説明して来ましたが、次世代を担う若者と世代の違う昭和生まれの人々との交流の難しさ。昭和世代は戦争体験や昭和恐慌と言った時代の変革期を過ごした親に育てられました。従って子供を飢えや病気から守り、命を繋ぐ事が何より優先である親に育てられた訳ですから、昭和生まれの人達は自らの力で、子供時代を息抜き、人より「強く・早く・大きく・大量」を手に入れる修練を子供時代に身に付けました。そうして大人になった昭和生まれは、時代に乗り高度成長期を無我夢中で生き抜きました。
概ねの人の努力は報われ、それなりに手応えのある壮年期を送りました。そうです、1989年迄は!!この年は中国では「天安門事件」ドイツでは「ベルリンの壁崩壊」、我が国ではバブル経済のピークでしたが、高度成長に急ブレーキがかかり成長神話は終わりを告げ、世界は歴史の転換点を迎えました。令翠学では、大運=巳(健康トラブル)の12年下の巳(健康トラブル)の年の出来事でした。そしてこの時代に生まれた若者が次世代を担っているのです。
世代交代を迎えているのだが、世代間ギャップは中々越えられないのが昨今の課題です。物質的豊かさを求め、未来を信じる事ができた昭和世代…精神的な豊かさを優先させ、欲は持たない、未来は信じない、大事な事は「今」現実のみが信じられる若者世代。昭和世代が交流を望んでもそれに応じる若者は少ない。自らの経験を惜しみなく与えたくても彼等にとっては、それは過去の遺物に過ぎないのです。自らの経験が時代を超えて伝わる方法は、時代に関係無く、世代共通の人類史における人々の経験や歴史、そして哲学が必要なのではないでしょうか。昭和世代と言う小さな経験量で物申すより、大きな視点で人類史や歴史の観点を学ぶ。そして自らの経験から得た知識を伝える努力を怠らずに謙虚に若者を信頼し、心を開く。どんな時代も『桜梅桃李』互いの個性に興味を持って、心の扉を自ら開き“オープンマインド”で生きてゆきたいものです。
「ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず……よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しく留まりたるためしなし」 鴨長明
令翠学師範 碧 令翠 2025/8/7
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